「新山君の事がすきです!
付き合ってくれませんか?」

「ごめん、僕彼女いるから
君とは付き合えない。ごめんね?
でも、嬉しいよ。ありがとう」

「新山くん…!
ううん、こっちこそごめんね!」

私、下野 百合《shimono yuri》
今、新山君に告白して、振られた女の子…ではなく、たまたま告白現場にいる通りすがりの平凡な女の子です…。

「新山くん、ありがとう!
じゃあね!ばいばい!」

「うん、じゃあね」

そう言って手を振りながら笑う新山君は
流石学年1の王子様って言われるほどの顔だと改めて思い直す。

少し茶色い髪の毛に
筋の通っている鼻。
まつげもほどよく長く、まさに美形。

あぁ、私もこんな顔に生まれたかった…。
なんて思っていた時だった。