ちか「お母さん!夕べはどうしてたの!?」

父に聞こえる事が無いよう、小声で会話をする。

母「夕べ、お父さんに殴られてね、このままじゃ殺されると思って、あんたたちが寝ている二階へ逃げたの。でも追い詰められてね、窓を開けて屋根へ逃げたの。でもこのままじゃ突き落とされると思って、一か八か、隣の空き家の窓を開けてみたら開いたの!でもたっくん(弟、まだ2歳くらいだった)が、お母さんがいなくて、『ちゃーちゃーん!』て泣いてたから連れてきてね。後、昼間、ラグを干しっぱなしにしていたから、それをこっそり取り込んで、それにたっくんと包まって寒さを凌いでたさ。」

ラグを干しっぱなしにしていて良かったと思った。

その時、弟は母に抱かれて眠っていた。

母「三島のおじいちゃん、おばあちゃんの所に行こう。」