「時間だよ、第三部をはじめなくちゃ」

「若松さんまだかかりそう?」

「今日の帰りまでには仕上げられるから、橘さんはとりまロミオやって来なよ」

「うーん、ジュリエットがあんまり可愛くないから、やる気が出るかどうか」

「文句は西野に言えよ。」

「しょうがないな、行こうかハニー。舞踏会の時間だよ。」

「西野は司祭?」

「そ、俺だけはずっと司祭役。舞台監督もあるしあんまり色々覚えらんないからな。だから出番までまだあるよ」

「おい葉月、このセリフはどうしたらいい」

「使えないならカットしてもいんだけど」

「悪いな、こんな迷惑かけて。明日のだって練習してきた奴いるだろうに」

「最後だから平気だよ。それに朱本だしな、むしろ大喜び。」

「お前はな。こっちはエースの貸し出しで大損害だ。だからこの勝負はなし。それに、朱本くんこれは取引だよ。忘れないで大きな貸しだからね」

「わかってるよ。若松は強かだからな」

「あぁ、始まった。」