「なに考えてんだよ、橘さんは!!」

 朔良は二衣からの突然の連絡に驚き、また怒っていた。部活から帰る途中で、学校の方へ引き返す。
 向かった先は学校に程近い児童公園だ。

<二衣 まちかど公園にいる>

 もう日はくれて暗い。
 公園は少し奥まっていて、人目につきにくい。女の子がこんな時間に一人でいていい場所じゃないことは、考えるまでもない。
果たして二衣はそこにいた。街灯の真下ブランコにゆらゆら揺られながら一人でスマホを弄っている。

「橘さん!」

 二衣は朔良の声にゆっくりと顔をあげた。そして微笑む。

「朔良くんなら来てくれるって思ってたよ」


嗚呼、本当にこの女は質が悪い。

朔良は息切れする胸を握りしめた。