私は丁度手に持っていた果物ナイフを寝巻きのポケットに忍ばせ。
ドアを勢い良く開けた。


『…………………』

無言でリリーを睨みつける。

『お姉…………様…………』

気の抜けた様な、絶望した様な、そんな声が擦れて聞こえた。これがリリーの本当の声…………。

私はポケットを探り、果物ナイフを引っ張り出した。

『お、落ち着いて………わ……私は…………………あ、ああ………ああ……』

リリーが震えだした。