「あの、私ね……」

沈黙を破ったのは姫だった。

「昔、恋をしたの。」

「昔…………?」

姫の年齢は割と幼く見える。10代前半ぐらいの見た目だ。

「私、こう見えても千年は確実に生きてるから……」

「!?」

「まぁ、そんな事はどうでも良いの……」

「あ、うん……」

「聞いて……くれる……?」

「うん…………。」

姫は静かに語り出した。