5分もしない内に、すぐお城に着いた。
しかし門の前には、トランプを擬人化させたような門番らしき者がいた。

「あ、あのーう………」

私は小さな声で話し掛けた。

「…………………」

門番は何も答えない。私を見つめて動かないままだ。

「スミマセン、私、迷ってしまって…………」

さっきより大きな声で話す。

「…………………」

門番は厳しい目で私を見つめている。
無言を突き通して私を帰らせるつもりだろうか。

私は年齢の割に背が高い。しかし中身はまだまだ子供だ。
子供をこんな夜に放っておくなんて……。しかも近くに自分の城があるのに……。

私は泣きたくなった。