「ほら、アリスちゃん……遊んで良いのですよ」

お姉さまに連れられて来たお庭には、沢山の木が茂っていた。
「庭」は心地よいそよ風が吹き、ちょうど良い暖かさの木漏れ日が漏れ、一定の速度で動く真っ白な雲が流れていた。

「どうしたのです?遊びなさいな。あたくしは読書をするから、自由に遊んで良いのよ。」

周りを見ると、黄色いボールや、ウサギのぬいぐるみ。さらには大きな水風船やら、変わった形のシャボン玉やらが並んでいる。

シャボン玉に興味を注がれたが、私は首を振ってお姉さまの横に大人しく座った。