「うわ、寒っ…」 ビルの外に一歩出た途端、冷たい風が容赦なく吹き付けた。 主任の隣で、私も思わず身震いする。 「お前、これ巻いとけ。」 主任は自分のマフラーを私の首に巻いてくれた。 「ありがとうございます」 「ん。」 私の首元で、太くて長い指が忙しなく動く。 「よし。行こ」