「行ってきまーす」 『その日』のわたしは あまりにも、浮かれていた。 映画も楽しみだけど 久しぶりに、司くんとたくさんお喋りできる。 そう思うと、胸が躍った。 ……早く早く、 早く会いたい。 膨らむ嬉しさに突き動かされるように駆けだした私は すぐ横を猛スピードで通り過ぎる救急車にも、気がつけなかった。