「司くんはさ、太陽みたいだったよね。」

そう私が言うと、司くんはえ?と目を見開いた。


「明るくて、勉強もスポーツも出来て、誰にでも優しくて。」

「…そんなことないでしょ」

「女子にすごく人気あったんだよ」


ふふ、と私が笑うと
司くんは私から目を逸らした。

…あ、また照れてる。


「だからね、」


一呼吸置いて
私は続けた。


「私でいいのかなって、いつも思ってた。」

「……」

「何で私なのかなって」


私も彼に憧れていた大勢の女子の中の一人だったけれど
容姿は十人並みだし、口下手だし
勉強もスポーツも何だか中途半端で。

人気者の彼に振り向いてもらえることなんて、ないと思ってた。