…あれ?

そういえば、私
主任と歩いてたんじゃなかったっけ。


そう思った瞬間に
頭の奥がズキン、と鈍く痛んだ。


「痛っ…」


思わず、眉間にシワが寄る。



ーーー あぁ そうだ

確か、歩道橋で足を滑らせて…



「……」


さっき司くんは
『夢じゃない』と言った。


じゃあ やっぱり

私は、死んだのかな



「上原」


とりとめもなく思考を巡らせながら歩いていた私は
司くんの嬉しそうな声に顔を上げた。


「ん?」

「見て。」


司くんが指差した先にあったのは

私たちが通っていた高校だった。