「……」 言葉が 出ない。 これは、夢? 「夢じゃないよ。」 私の心を見透かしたように 少しだけ視線を落として司くんは続けた。 柔らかな黒髪が、サラリと頬に落ちる。 「会いたかったんだ。上原に」 「司くん…」 首筋のほくろ。 日焼けした腕。 制服のワイシャツは、一番上のボタンだけが外されている。 17歳の彼が、いつもそうしていたように。