月だけが見ていた


「……返事、まだ待たなきゃダメか?」



広い背中を

ジッと見つめる。



「いや、別に急かす訳じゃ…」

「ごめんなさい」



主任の言葉を遮って、私は言った。




「主任とは結婚できません。」