駅までの道を、並んで歩く。 特に何を話す訳でも無いけれど 手は握り合ったまま。 街灯に照らされた影が、2つ伸びていくのを 何となく、眺めたりなんかしながら 「階段、大丈夫か?」 ふいに、主任が口を開いた。 「え?」 「今日、ヒールだろ」 主任の目線の先には、いつも渡る長い歩道橋があった。