廊下を歩いて、左に曲がったところで先輩に追いついたまでは良かったんだけど



あたしは先輩しか見てなくて、階段が目の前にあったことなんて知らずに



……階段から落ちてしまった。



と思ったら、グイッと先輩の方に引き寄せられた。



「わっ!」



「はぁ……なんでこうなの?」



おそるおそる顏を上げると、そこには呆れきった表情の瀬戸先輩。



「はい……すみません」



「いきなり後ろから走ってきたと思ったら、階段から落ちたかったわけ?」



あたしはフルフルと首を横に振って全力で違うとアピールした。