―ドキッ



1回鼓動が大きく鳴ったと同時にどんどん速くなる。



なんでこんなに顔が整ってるんだ。



きれいと思わず口に出てしまいそう。


どうしよう、これってチャンス?



あたしはそっとそっと近づいて、ぎゅっと目を瞑った。



あとちょっと、あとちょっと……でも緊張して最後の最後で近づけない。



すると、一瞬だけ相ケ瀬くんの唇に触れた。



だけどおかしい。もう少し距離があったような?




「…やった?」



あたしは小さな小さな声でそうつぶやいた。