「紗季ーー!!起きなさいっ!」

母の声で目覚める最悪な朝…
眠気でイライラしていると頭上から声が聞こえた。

「紗季はねぼすけだなぁ」

?!?!?!

「おおおおお父さんっ?!///」

「おはよっ紗季!あ、勝手に部屋入って怒ったか?」

明らかにシュンとするお父さん…かわいいかも

じゃなくて!!

「お父さんなんでここに?!締め切り近いんじゃないのっ?」

父は締め切り前になると部屋から出てくることはないはずなのに…


私の父、櫻井 聡は

25歳の時、デビュー作である「空想恋愛」で一躍有名になり、

32歳になった今でも人気の火は消えずにいる。


父と私は血がつながっていない…

私が中学2年生のときに母の再婚相手としてこの家にやってきた。

私の実の父は私の幼い頃に他界しており、顔も覚えてはいなかったこともあってか、初めから冷静に受け入れることが可能であった。

そして、高校生2年生の春、自分の恋心に気づくことになってしまうとは…