「難しいっすね……自分の店のキャストと隼斗さん…どっちを取るか」

真は笑いながら言う


『いいんじゃねぇか?自分の店の奴らを大事にするのは経営者として、当たり前だ、俺なんか気にするな。勝手にやるから』


「隼斗さん……すみません……ただ言えることは言います」


真は沙希のことを話し始めた


「沙希って名前は本名です。普通、源氏名を付けるんですが、沙希本人がいいと言うので……藍原沙希……21歳です」

「沙希は18歳からこの世界に入ったようで、幾つかの店を転々としていたようです……俺の予想では、その店で情報を仕入れて、用が無くなれば他の店にうつる」

「沙希の親なんですが、沙希が学生の頃に亡くなっているみたいなんです……もしかしたら、それなのかと……」


「俺が言えるのは、これくらいです」


両親の死ね……

『十分だ。あとはこっちで調べる』
『明日、組の奴ら行かせる。請求書、回してくれ』


俺はテーブルに金を置き席を立つ

ビルを出たら俺の車が停まっていた


「おかえりなさい」

『悪いな……今日はマンションだ』

「承知」


自宅ではなく
マンションへ車は走り出した。