「それでね、隼斗さんが退院するまで…もう少しだけ、お店を手伝ってもいい?」
『……わかった』
俺はしぶしぶ了承した
「ねぇ、たっちゃん……隼斗が女の言うこと聞いたわよ?」
「姐さん、聞きましたね…驚きですね」
お袋と達也さんが楽しそうに話している
俺はイライラしたから、二人を帰らせた
「……私、下まで送ってきます」
そう言って沙希もお袋達と部屋を出た
「何も言わなくても、理解されてますね…沙希さん」
『……あぁ。…で、どうなった?』
俺は俺が刺された後の話を田辺から聞いた
俺が刺された後、
駆けつけた看護師に俺を任せ
聡は晃を連れて病院から出たという
聡は自分の家である
水河組の本家に連れて行った
本家には聡の親父、姐さん、それと俺の親父、田辺が待っていた
聡の両親は晃の姿を見るまで
親父の話を信じられなかったそうだ
聡は今までのこと、
そして、俺を刺し
俺を病院に託したことを話した
「少し、殴らせていただきました」
田辺の少しは半端じゃねぇ…
だいぶぶん殴ったんだな。
水河の姐さんは泣き崩れ
聡の親父も、俺の親父も無言だった。