「隼斗さん……お帰りなさい」
沙希が俺を抱きしめる
そんな沙希が愛おしく思う
『あぁ、ただいま…心配かけたな』
沙希の頭を撫ぜる
俺は沙希を抱きしめたまま
『田辺、かわりないか?』
田辺は少しだけ震えてるように見えた
「……は、い。かわり…ありませ、ん」
俺は沙希を片手で抱き
もう片方の手で田辺を呼んだ
田辺は不思議そうな顔をして
近づいてきた
俺は田辺を引っ張り
田辺も抱きしめてやった
「わっ、若!なにをっ」
『あ?田辺が可愛く見えたから、抱きしめてやってんだ』
そう言うと、沙希はクスクス笑いながら
「田辺さん、隼斗さんには勝てませんね」
そう言うと田辺も観念したようで
「若……もぅこんな心配は勘弁してくださいよ……命がいくつあっても足りません」
『あぁ、悪かった』
俺はたまらなく、嬉しくて
二人を強く抱きしめた
コンコン…ガラッとドアが開いた
「……えっ…嫌だ、邪魔しちゃった?」
そこにはお袋がいて
俺と田辺と沙希を目を丸くして見ていた