「晃……本当にお前が……」


聡は信じられないって顔をしていた
そりゃそうだ
聡が引き取られてから
ずっと二人兄弟、仲良くしてきたんだ
継母にキツく当たられても、晃がかばい
親父さんに晃が怒られれば聡がかばう


「兄さん……なんで、こんな奴と仲良くすんだよ、兄さんには俺がいるだろ?」



「晃……確かにお前は大事な弟だ。けど、隼斗は大事なダチだ……ダチに手を出すなら、悪いが俺はお前を全力で潰す」


晃は聡の言葉にヨロヨロと下がり

「な……なんだよ、それ……」


これで終わったか……
晃は聡を俺に取られたと思ったんだろうな…ブラコンかょ。


もう一人の俺は、晃が俺に復讐する為だけに作られた架空の俺だった。




……そんなんで俺に恨みを持ち
聡を捨てた沙希の家族を自殺に追い込み
生き残った沙希を俺を追い込むための駒にして沙希を追い込むなんて…馬鹿げてる。

俺は聡の肩に手を置き

『後は任せる』

そう言って部屋を出ようとした



「お前さえ居なければ……」
「お前さえ、居なくなればっ!」


晃の声に俺は振り返った