「俺……初めて隼斗さんに会った時から、負ける気はしなかった……けど、親父も…周りの奴らも、俺が劣ってるって言いやがった…」
「俺の方がいい学校に入った、俺の方が女にもてた、俺の方が……」
『……そうだな……けど、俺の方が早く若頭になったな……』
その言葉に晃の顔は歪んでいる
「てめぇさえ、居なければ……」
『居なければ、晃は幸せだったか?』
「ああ、そうだよ!」
『……本当にそうか?』
俺は詰め寄る
『俺がいなかったとしても……お前は若頭にすら、なれねぇ』
『組を背負うってことは、生半可な気持ちじゃ無理だ……人を騙し陥れ、自殺まで追い込んで……何も知らない被害者に近寄り、また陥れるつもりだったか?』
『そんなことやってる奴に、誰がついていくんだ?誰が組を任せようとする?……だから、親父さんはお前じゃなく、聡に任せたんだよ……』
俺が言い終わると、ドアが開き
聡が入ってきた
「えっ……兄さん……なんで……」
晃は聡の登場に動揺を隠せないでいた