朝……

少しだけ寝たな…
俺の腕の中には沙希がいる


すやすや寝てる


沙希を起こさないように抱きしめ
おでこにキスをし
俺は静かにベッドを出た


シャワーを浴び
着替え、玄関を出ると
田辺がいた


「おはようございます」


『あぁ……無理すんな』


いつもと変わらない田辺

「今日中には耳に入ると思います」

……知ってやがる
これから何が起きるかを。


『親父の提案だ、うまくいくだろう』



今日……親父が前に提案してきたことを実行する。
それに、男がひっかかってくれたらいいんだが……

「時間になったら女の携帯から、メールしときます」


『相変わらず仕事が早いな……』


田辺は優希がいるホテルに行って
女の携帯を奪い、女にメールのやり取りを吐かせたんだろう……

『落とすの簡単だったろ、あの女…』


「そうですね、あれはダメです。これからは沙希様以外はだめですよ」


『…ったく、お前は母親かっ』


田辺が笑っていうから
俺も笑って答えた。