「……一緒に住むの?」
『あぁ、嫌か?』
「……嫌じゃないけど……ただ…」
何か言いにくそうにしている沙希
『言え、なんだ?』
「……優希さんのこと…」
『あいつはただ情報よこしただけだ、その見返りに抱いただけだ』
「……私……隼斗さんと住むなら店は辞める……優希さんに合わせる顔ないし」
『好きにすればいい、生きていくに困らない金は渡す』
「うん、そうする」
『一つ、聞きたいことがある』
『田辺が刺された時……沙希……誰かと一緒だったか?』
「ん?あの日?ううん、自宅から店に向かっただけだよ」
『なら、店に入る前…男と話したか?』
「男?……うー…ん。あっ、店に入る少し前にすれ違った人がいて、血の臭いがしたから、話しかけた…「ケガしてるんですか?」って」
それだ!
「けど、そのまま行っちゃったの」
『顔見たか?知ってる奴だったか?』
「ううん、知らない人。顔は見てないけど、金髪だったよ。前髪がフードから少し出ていたから」
金髪?
……聡は金髪じゃねぇ
なら聡じゃねぇ……。

