俺は優希の顎をくいっと上げ

『俺に抱かれたいなら、俺のこと本気になるな……風呂場行きだぞ?』


「えっ……」


『もう二度と店にはこねぇ』


そう言って俺は店を出た
真が俺の後を追いかけて謝ってきたが

『あ?いや、若い奴らはよこすから、心配すんな……俺が手を出したのが悪い』


それでも真は謝っていたが、気にするなと言い、俺は車に乗り込みマンションへ向かった。


田辺は全治5週間
黒木さんはまだ意識が戻ってない…

田辺も黒木さんも
弱い奴じゃない……
むしろ……武道を心得てる
相手は只者じゃない……


俺はマンションに戻り
黒木さんが残してくれた資料を
もう一度見直していた

沙希が何時にくるなんて
わからねぇ
女を待つなんて初めてだ


俺は酒を口にしながら
笑っちまう……


マンションに戻ってきて数時間がたっていた。