『あいつの所へ行ってくれ』
俺は田辺に指示に向かわせる
街中のあるビル街…
風俗店やヤミ金が立ち並ぶビル
昼間はガランとしている
俺が車から出れば
ヤミ金の事務所にいる奴らが
慌てて出てきて挨拶をしてくる
「お疲れ様です」
『あぁ、別用だ…気にするな』
そう言って、俺は古びたビルの中へ入り
階段を上がり、ある部屋の前に止まった
本当に住んでるのかと思うくらいボロボロ、インターホンすらついてない
俺はドアを叩く
『隼斗です』
そう言うと、ドアが開いた
俺は部屋に入る
「久しぶりだね、隼斗」
『ご無沙汰です、黒木さん』
黒木さん……昔から世話になってる情報屋。黒木さんにかかれば、わからないことはない。
『こいつ、探してもらえませんか』
俺は写真を渡した
『名前は…滝本隼斗……偽名かもしれませんが……』
「なんだそれ?」
俺は黒木さんに今回のことを伝えた
「お前も怨みを買うように、なったか」
黒木さんは楽しそうに笑っている。

