車に乗り込むと
沙希の目は泣き腫らした目だった


『あいつらは、こっちで預かる』
『聞きたいことがある……お前の兄に会いたいんだが……』


「……それは難しい」


『は?』


「実はね、私もあった事ないの。いつも連絡は電話やメールだから……」


『は?どうやって兄貴だってわかったんだ?会わないで接触か?』


沙希の話だと、沙希のお袋さんが亡くなる前に言い残して言った兄貴の話

沙希のお袋さんの実家に住んでる話を聞き実家へ行ったが、すでに兄貴は家を出ていたと言う

実家に住んでいた親戚に言付けをした数日後に兄と名乗る男から連絡が来て、話をし兄だと思って今まで過ごしていた。


『けど、お前の兄貴は俺の名前を使って詐欺をしたんだろ?』


「……そうなんですが……けど信じられなくて、兄は常に母のことを思っていたし……同じ名前だけなんじゃないかって……」

『それで、俺に狙いをつけたってことか?』


「私が調べると……調べれば調べるほど、貴方しかいなくて……」


『……それが奴の狙いか……』

俺はため息をつく