『話してもらおうか?』


「あ……いや…俺はただ、言われただけで……何も……」


バキッ
田辺が男を殴りつける

「ぐはっ……はー…はー…」


もう一人の男を見ると震えている


『お前は…話してくれるよな?』


「は、はい……」


その男の話だと
今から3年前、詐欺を持ちかけたのは
俺の会社の名前を使った滝本だった。

やり口は田辺の報告通り……詐欺
身に覚えのない借金の保証人にしたてあげ、取り立てに行く。

リスト集めや相手探しは滝本がやり
それを取り立てるのが、こいつらの役目。

滝本は頭の回転が早かったのか
詐欺行為は何度も繰り返された
初めは数百万から……
調子に乗りすぎて、自殺する奴らも出てきて、こいつらが怖くなった頃に
滝本はこの2人に1000万ずつ渡して解散したと言う……


『たかが…1000万でか……』


「当時は仕事もうまくいかず…資金繰りに困っていたんで……」


『で?滝本は?』


「あれ以来…会ってません……多分…海外にいると思います」


海外ねぇ……

「あいつ、日本が嫌いって昔から言ってましたから…」


『……藍原沙希って女、知ってるか?』


俺が女の名前を出すと
二人の顔が引きつった。