「隼斗のセンスの良さは私に似たのね」

お袋が笑いながら言ってる


『お袋、いいのか?護衛1人で』


「いいのよ、たっちゃん1人いたら問題ないし、他にいたら店が繁盛しないわ」


『達也さん……すみません』


お袋の横で立っている男
お袋の側近、運転手をしている達也さん
お袋より年下だが、頼りになる人
お袋が一番の信頼をしてる人だ


「若、やめてください。姐さんを守るのが俺の務めですから」

「それに、姐さんが楽しそうなのを見ると、俺も嬉しいですから」


一時期、親父がヤキモチをやくくらい
お袋は達也さんを慕っていた。


『置く商品はお袋に任せるわ…』


「え!いいの!嬉しい」


お袋は嬉しそうだ
確かに専業主婦になって俺が産まれて
けど、俺が離れたから何もすることがなくなったのかもしれねぇ…

組員が寝込んだりしたら、嬉しそうに看病するくらいだから…時間を持て余してるんだろう……


『俺の店だけど、お袋の店でもある』

そう言うとお袋は和かに笑っていた。