俺は及川凌。自分で、言うのは
変だが、相当モテる。でも、
「きゃーーーー!」
「凌王子!!」
とか、毎朝毎朝、やめてくれ…。
この歳で王子とか、マジキモい。
でも、女は好きだから
「おはよう。」
笑顔で言う。そしたら大抵の女は、
顔を真っ赤にする。

「おっはよう!王子は大変だなw」
馬鹿にしたように言ってくるこい
つは、中山薫。中学校から親友だ。
「うるせぇ。」
「んだよ。最近つめてぇなぁ。
あ、最近 美穂ちゃんが可愛くなっ   て、ヤローどもにどんどん告白さ
れてるからだろ?」
「ぐ…。」
「え!?図星?」
「しょーがねぇーだろ?美穂が、
男どもと、話してるのを見たら
モヤモヤすんだよ!」
そうだ、最近美穂は次々と告白
をされている。美穂はその事に
ついて、何も言わない。だから、
こっちも何も聞けない。
誰かと付き合ってんだろうか?
それなら、俺となんか帰っちゃ
ダメだろ…。

くそ、イライラする。

胸が苦しい。何だこの感情は。


「鈍感だなぁ。」
薫が何かを言っているが、上手く
聞き取れなかった。