かい、と……?
この学校にやって来た日。
保健室の来客用紙に書かれた、1人の名前。
〝三木海人〟
「なん、で……?」
知らぬ間に、声になっていた疑問。
東先生は電話に夢中のようで、わたしの存在には気付かない。
「今どこにいるのっ? 迎えに行くから、言ってよ!」
……何だか無性に、胸が痛い。
今までに無いぐらいの、悲しさと辛さ。
苦しい…………。
「はぁっ!? ちょ、海人……!」
もうこれ以上、聞きたくなくて。
二人の近い距離に、気付きたくなくて。
わたしはその場から逃げ出した。
動揺して固まって、上手く動かない足を、必死に動かした。
何度も縺れそうになって、転びそうになって……。


