それがどうかした?って聞く前に。
三木くんは何だか、気まずそうな顔をする。
なんか……嫌な感じ……。
「あぁ、ごめんね。せんせーが嫌ってわけじゃないよ。ただちょっと、待ち合わせしてて。」
「待ち合わせ?」
「そ。……でもどうやら、オレの勘違いだったみたい。日付、間違っちゃったかな。」
窓から月を見上げる三木くんの表情は、どことなく切なげ……。
いつもの三木とは、別人のように感じてしまう。
「だ、誰を待ってたの……?」
思わず聞いてしまったこと。
聞いてから、しまったと思った。
「……せんせーには、関係ないよ。」
三木くんの冷たい目が向けられる。
いつもの優しい目でも、甘い目でもない。
何も映さないような、冷たい目……。