【完】魅惑な藍の海の恋心色。






時刻は8時過ぎ、誰もいない校舎。


しーんと静まり返る校舎に響くのは、わたしの靴音だけ。



「こ、こわい……っ。」



そ、そういった類のものを信じてるわけじゃないけど……。


幽霊、とか……。



「出ない、よね……?」



出るはずがない。


そう思いたい。



――ガタッ...



「ひっ!?」



お目当ての視聴覚室にたどり着き、近付けば、

中から何か、物音がした。



そこまで大きな音じゃなかったけど、

突然廊下に響いたその音に、体が震える。



だ、大丈夫だよね……?


大丈夫だよね!?



「っ……。」



ゴクッと、生唾を飲み込んで。


おそるおそる、扉のドアノブに手を掛けた。



――ガ、チ...



「……あれ? 閉まってる……。」