誰でもいいなんて、そんなの嫌。
分かってる。
わたしがそんなことを言う資格なんて、無いってこと。
わたしはただの教師で、先生で
三木くんの彼女でも恋人でも、
友達でも何でもない。
でも、好きなんだよ。
三木くんがタラシでも、
たくさんの女の子に手を出していたとしても。
好きなものは好きなんだから、仕方ないじゃん……。
分かってても、好きは止まらないんだもん……。
「…………。」
敢えて何も言わず、机の書類に目を通していた。
すると三木くんは
「それも、せんせーみたいな可愛い女の子が好み。」
……なんて。
わたしの気持ちを知ってか、知らずか。
多分というか絶対後者と思うけど。
最近の三木くんは時々、わたしの気持ちを試すようなことを言う。
「っ……!」
そんなこと言われて、
わたしが、喜ばないはずないのに……。
「赤くなった、せんせい。本当、可愛い……。」
三木くんの声が、耳の中を踊る。