side 小河藍





三木くんに恋してると気付いた日から、早1週間。


三木くんを含めた生徒達は、とうとうテスト期間へと入った。



……にも関わらず。



「せんせい、欲求不満なんだけど。」


「ご、ご自分1人でどうぞ……。」



相変わらず、三木くんは保健室の住人……。



「それって、〝右手が恋人〟になれって言ってる?」


「えっ。いや、そ、そういうわけじゃ……っ。」


「嫌だなー、オレ。恋人ならやっぱり、女の子がいい。」



ポロッとこぼれた三木くんの言葉に、胸がチクンとしたのが分かった。



恋人なら女の子……。


女の子なら、誰でもいいの……?



前ここで抱いていた人でも、

正門前でキスしていた人でも。


いつも三木くんを囲うファンの人達でも……。



わたしは、もう三木くんじゃなきゃダメなのに……。