三木くんの細長い指が、わたしの頬に優しく触れた。



「こんなに顔赤くして……。もしかして誘ってるの?」


「さ、っそってなんか……!!」



〝誘う〟の意味が分からないほど、わたしは子供じゃない。


三木くんの直球すぎるその言葉が、物凄く恥ずかしかった。



「……やっぱりせんせ、可愛いね。いじめたくなる。」



フッと

少し傾けられた顔。


そのまま三木くんの顔は、わたしに近付いてきて

……唇に感じたのは、柔らかい熱。



「ん……っ!」



いつになっても、三木くんとのキスは慣れない。


もう何度も、この行為を繰り返しているというのに。



それはわたしが教師で、三木くんが生徒という立場だからか。


それとも、単にわたしの経験が少ないからか。


はたまた……。