「何してんだよー、海人。そろそろ行かなきゃ、次の授業遅れるぞー。」


「分かってる、今行く。」



ポン、と頭の上に手を置かれた。



「またね、せんせー。……今度はちゃんと、骨の髄まで食べてあげるから。」


「っ!?」



ただでさえ赤かったのに。


もっと赤くなったわたしを見て、三木くんは微笑んで。



笠岡くんと一緒に、保健室を出ていった。



「ぁ、つい……。」



もう、三木くんはいないというのに。


この保健室にいるのは、わたしだけだというのに。



まだ耳元に残る熱。


三木くんの、吐息の熱。



それが離れなくて、テンポの速い心臓は中々おさまらない。



こんなの、まるで……

三木くんに、恋してるみたい……。



生徒の、三木くんに……。