「もう一度、聞くね。」



少し離された、わたしと三木くんの距離。


窓から差し込む月の光が、わたしたちを照らし出していた。



わたしは、手を伸ばす。



「藍のココ……。オレが奪っちゃってもいい?」



開いた距離が、もどかしくて



「藍の全部、オレにちょうだい。」



自分から、三木くんに唇を重ねた。



……全部、あげる。


恋心も、想いも体も。


全部全部、三木くんにあげる。



「好きっ……!!」



一度口にした言葉は、止まることを知らない。



「三木くんが好き……誰よりも、他の誰よりも三木くんが好きだよ!」


「うん。」


「わたし以外の女の子のところになんて、行かないで……!」


「行かないよ。」





「オレも、藍が好きだから。」