side 小河藍





「少しお話……いいですか?」



逃げないって決めた。


このままじゃダメだって

三木くんのためにも、東先生のためにも


そう、分かったから。



「ちょうどよかった、アタシも話があるんだー。」



後悔したりしない。





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やって来たのは、人通りの少ない北校舎の視聴覚室。



「じゃあまず……、藍ちゃんの話聞こうか?」


「…………いえ。わたしはあとから……。」



長くなると思うし……。



「そう?」


「はい……。」


「じゃあ、先に言わせてもらうね。」



開けた窓から、暖かな風が流れ込んで来る。



「これ以上、海人に近付かないで。」