もしかしたら東季緒にも新しい家庭があるかもしれないし
何より、オレにとっての〝母親〟と〝父親〟は、母さんと父さんだけだったから。
「ごめんなさい、先生。オレ、先生とは付き合えないです。」
だから断った。
きっぱり、後腐れの無いように。
そしたら、この女は……
「ふーん」と、奇妙な笑みで頷いて、次の日から……
オレに好意を寄せる女を、片っ端からイジメるようになった。
「三木くんが悪いのよ。アタシを見ないから。」
東季緒は怖い女だった。
ほしいものを手に入れるためなら、手段を厭わない奴だった。
「もう一度聞くね、三木くん。アタシと付き合わない?」
ほぼ脅迫だった。
オレは頷いた、このことは雄大さえも知らない。


