母さん、父さんと本当の家族じゃないことは、小学校に入る前から知ってた。
というか、覚えていた。
〝ママ〟に捨てられた日のことも。
『ごめんね……うみひと……。』
寒い冬の日
〝迎えにくるから〟
そう言って一向に迎えに来なかったママ
オレの部屋の隣の部屋に、母さんがこっそりオレのアルバムを作って隠してることは、ずっと前から知っていた。
……そう、だから全部、知っていた。
「アタシっ、別れないから!!」
そう叫ぶ目の前の女が、自分の母親だってことも。
――付き合ったきっかけは、季緒がオレに告って来たから。
「ねぇ、三木くん。アタシと付き合ってみない?」
東季緒がオレの本当の母親だってことには気付いていたけど、それを本人に言うつもりは端から無かった。


