分かってると思うけど、今言ったのはわたしじゃない。
「べっぴんさんどすな〜。何色の着物が似合うやろか。」
そのまま奥の部屋へと連れ去られる際、
「なんで!?」という思いを込めて、三木くんを睨みつける。
三木くんは相変わらずの笑顔で、こっちを見ていた。
「にしても、ほんま綺麗どすなー。彼氏さんもイケメンやし、お似合いで羨ましいわ。」
「か、彼氏じゃ……!」
赤い着物の女の人は、着付けを始める際に
緒花(おはな)と名乗ってくれた。
ド素人のわたしでも分かるぐらい、緒花さんは着付けが上手だと思う。
丁寧だけどスラスラと素早く、それも丁度いいぐらいの帯の締めに。
昨日のお化け役のとき、自分で着付けた着物とは
当たり前だけど、大違いだなぁと思った。


