【完】魅惑な藍の海の恋心色。






片方の石からもう1つの石まで、目をつぶって歩くと恋が叶う。


恋占いの石を、わたしに支えてもらいながら何度も挑戦して。



大学の合格祈願じゃなくて、なぜか健康運のお守りを真剣に悩んでたり。


嬉々とした表情を浮かべながら、手水を楽しんでたり。



まるで三木くんが、小さな子供のようだった。



そういえば昨日の歌舞伎も、周りはみんな興味なさそうに寝始めた子が多かったのに。


三木くんだけは最初から最後まで、歌舞伎に見入ってたことを思い出す。



本当に、本当にそういうのが好きなんだなぁ……。



「あっ、せんせ見て! 着物だって、着物! あそこで着物借りれるみたい。」


「へぇ。そんなものもあるんだ。」



三木くんはもう既に行く気みたいで、

自力で車椅子の車輪を回して、先に行こうとする。


わたしも後を追って、暖簾をくぐって店内へと入った。