周りがざわつく。
「おいおい……あれって、三木だよなっ?」
「うっそぉー! やだぁ……!!」
「まじかよ!! 相手、誰!?」
あれ……わたしこれ、どうなってるの?
唇が、温かい。
この感覚って、もしかして……。
「……落ち着いた?」
柔らかくて甘い微笑みが、わたしの視界いっぱいに映る。
整ったその魅惑の笑顔は、わたしの顔を一気に熱くさせた。
「なっ、なに、して……!」
「……せんせいの泣き顔、見たくなかったから。」
三木くんの指がソッと、わたしの目尻に触れる。
そこにはもう、形跡が微かに残ってるだけで、濡れた感覚は既に無くなっていた。
方法は何であれ、わたしの涙を止めてくれたんだと分かった。
やり方は少し、強引すぎると思うけど。


