――「はぁー……。」
新幹線の微妙な揺れは、嫌いじゃない。
「……なんで、あんなこと言っちゃったんだろ。」
見慣れた風景から、見知らぬ風景へと変わる窓の向こうは
「…………絶対、嫌われた。」
ちょっとした冒険をしているようで、好き。
関西へと向かう新幹線の3号車、1番後ろの席。
外の景色に見入りながら、わたしは溜息をついた。
「こがちゃん、どうかしたのー? さっきから溜息ばっかりだよ?」
「え……あ、そ、そうだった? ……ごめんね、何でもないの。」
前の席の子が、そんなことを聞いてくるぐらい
わたしは無意識に溜息をついていたらしい。
溜息の理由なんて1つ、つい数時間前のあのこと。


