明人は、美智影に人形の名前を尋ねた。
美智影は、こいつには名前がない、、、良かったら考えてはくれないか?と言った。
名前はやはりずっと一緒にあるものだ、だからちゃんとした名前をつけてやらなければと明人は思った。その時ふと人形の瞳を思い出した。菫色の綺麗な瞳だった。
「菫ってどうかな?」
そう明人が言うと繰り返すように人形も口ずさんだ。
「ス、ミ、レ・・・」
「嫌だったらいいんだよ!?」
「いえ、すご、く・・・嬉しい・・・です」
少しずつだが菫は、上手く話せるようになってきたようだった。