漫画とか、テレビドラマとかでよく見る
愛とか、恋とか、
好きとか、嫌いとか、
人を変えてしまうほどの感情。憧れとか、それに夢を抱いたり、そんな経験は誰にでもあるよね。人それぞれなんだと思う。
「ひたなちゃんおはよー!!」
「んー?あ!花ちゃんおはよー」
桑野ひなた。これといった悩みはありませんが、唯一の悩みがあるとしたら
そういった経験がない、ということなのです。
chapter:1 ソラの色
「今日もいい天気だねぇ~」
「ん〜きもちいね!花ちゃん」
教室に入ると毎日決まって挨拶してくれる花ちゃん。席が前後なのもあって、すごく親しくしてくれる。
いつもと同じ風景。同じ風の匂い。そこに私は腰を下ろして鞄をかける。自分がとけこんでいく感覚をおぼえる。肩をちょいちょいとつつかれて、振り向いた
「今日の数学の課題、すこし難しかったなあ…ひなたちゃんできたー?」花ちゃんが私の顔をのぞく
「あーやっばい!忘れてた!」
「も~しっかりしてよ~」と無邪気に笑う。肩より少し長い髪が、朝の光を反射してキレイに光る。ふわっと、シャンプーの匂いがすると、ドキッとして、思わず我に返った。しばらくして一日の始まりを告げる鐘が教室、学校中に響いた。