不安になりながら学校を目指す。
「ねぇねぇ」
はぁ…知り合いがいる学校が良かったんだよ、私だって…
「ねぇってばー」
お父さんもお母さんも過保護なんだよね…ここが一番近いからってさ…
「ちょーっとー!!」
「うわっ!!」
耳元で大きく言われた言葉に、必要以上に肩が揺れた。
「さっきから話しかけてたんだよー?」
無視しないでよー、とほっぺをプックリ膨らませる知らない女の子。
「ご、ごめんなさい…その…私だと思わなくて…」
「いいよいいよ!それよりさ!」
ガシッと手を掴まれて、グイッと引き寄せられる。
か、顔!!近いっ!!
「な、にか…」
目を真っ直ぐ見てくる知らない女の子。
「…小桜 花乃ちゃんだよね?」
「…へ?」
な、なんで…私の名前を…?
「…やっぱり覚えてないかなぁ…小学校途中まで一緒だったんだけど…
あっ!ほら、公園で遊んだ事あるよ!!砂のお城創ったら、花乃ちゃん超器用で…」
小学校…砂のお城…??
「…あ…あああーーーーーっっ!!!」
「キタ!?」
「き、キタ!!」
小学校3年生くらいの頃…
海が近い小学校に通ってて、よく私は海に遊びに行ってた。
その時、一人の女の子が声を掛けてくれて、一緒に遊んだっけ…
確か…名前はー…
「…波岡 海架(なみおか うみか)…ちゃん?」
「そうっ!!覚えててくれたんだー!良かったぁー!!
途中から転校したから忘れられてるかと思った!」
ニッコリ可愛い笑顔を見せてくれる海架ちゃん。
…うわぁ…思い出すのに必死であんまり顔みなかったけど…
超ー美人じゃんっ!!!


