黙り込んでなによ。
こんどは座ってるし。なんでこんなに
落ち着いてんの?

ってそんなのは簡単。

あたしのことなんとも思ってないからだ。
あたしのことを友達としてしか見てないから。あたしは一緒にいれるだけでこんなに
ドキドキしてるのに。

「なぁ。お前さぁ。その、好きなやつとかいんの?」

え、これってまさか。

「い、いるよ。燐は?」

噛んじゃった。でもなんでこんな話を
するのかな。

あたしのこと好きなの?って聞けたら
どんなに楽なんだろう。

「いるよ。可愛いくせに無愛想な女。」

「そんな子いるの?ウケる」

なーんだ。あたしじゃないのか。
どんな子かな見てみたいな…。

「なんかほっとけねぇんだ。女に嫌われるタイプなのかね。」

ならあたしと一緒だ。でも仲良くはなれないな。

「そのこの名前は?」

気になる。燐の好きなこの名前。
そのとき授業の終わりのチャイムがなった。

あ、授業終わったんだーってぼんやり
思った。次も燐といたいな。
でも燐は好きな子いるもんね。無理だよね。

「おれ、次の授業出るけどおまえは?」

やっぱり、あたしもでないと。